ミクロ経済学特講 シラバス(未定稿) †
- 「ミクロ経済学ってウソだよね」
- ミクロ経済学は理念型(idealtypes)です。話の辻褄が合うように作られた、どこにもない世界の話です。経済学的に大事だと思う要素だけを理念形に残し、あとは切り捨てているから、はっきりした結論が出ます。実際の世界で、そのようなはっきりした結論が得られないのは、実際の世界ではもっといろいろなものが人間の手足にくっついて、縛ったり抑えたりするからです。そして、これも大きいのですが、人間はもっといろいろなことを大事だと考えているからです。
経済心理学と限定された合理性(1)(2) †
- 機会費用は計算できるか
ある外国為替の決定モデルで、合理的に市場を均衡させる為替レートを求めるためには微分方程式をひとつ解かなければならない、という結論が提示されたことがあります。時々刻々市場の状況は変わっているわけですから、そのモデルに従う合理的な市場参加者は、何度も何度も微分方程式を瞬時に解いていることになります。
経済学っぽい、合理的な行動を煎じ詰めると、機会費用を常に意識し、それをゼロにする行動だと言えます。それは簡単に言うと
「出来ることの中で、一番得なこと(一版損の少ないこと)をする」
ということです。しかしそのためには、自分に出来ることが全部分かっていなければならないし、何をすると何が起こるか、結果の予想が完全についていなければなりません。
- 不確実性とリスク
- システム1とシステム2
- フレーミング
情報の完全性(3)(4) †
- 効率市場仮説
- インサイダー情報、仕手筋と共謀
- 情報の非対称性と監査・プロジェクト評価
- 情報の不完備性
取引費用(5) †
- 裁定、金現送点
- ネット価格比較、宅配便
- ドミナント出店
- グローバル化と世界経済への統合
- 次回に向けて:論理的な文章のまとめ方
議論と小論文(6) †
効用関数は不変か(7) †
- ニーズとウォンツ、「市場の生産」
- バンドワゴン効果、ヴェブレン財
- ネットワーク外部性(ミクロ経済学の拡張として)
需要関数は(ほとんど)実測できない(8) †
- 価格の変化をどうつかまえるか
- 財の同一性をどう確保するか
- 今までに世に出たことがない新製品は?
公害と(負の)外部性(9)(10) †
- コースの定理と社会的限界費用
- 正の外部性(集積の経済、ネットワーク外部性と規格戦争)
- 番外:「かけがえのないもの」にどうやって値段をつけるのか?
- 義捐金の配分
- 租税収入の配分
行列、くじ引き、ヤミ転売(11) †
参入・退出とコンテスタビリティ(12) †
グローバリズムの光と影-複合的問題(13)(14) †
- ヘッジファンド-零細でも多数でもない市場参加者
- アジア通貨危機
- 外国の買い付け、外国製品の流入
- 国際分業と低賃金労働、モノカルチャーのリスク
- 中国、人民元為替相場、沿岸部と内陸部
後期試験(15) †