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人からどう見えるか
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<div style="font-size: medium"> 組織の中でふたつの立場の人が接するとき、組織の外にも人がいる、ということを忘れてしまうことがあります。 国立大学も役所ですから、自分の担当でないことは手が出せない、ということがよくあります。それどころか何かまずいことが起こって、その拍子に権限のない人がそれをやったということが明らかになれば、そのことに対して誰かが責任を問われる、ということもありえます。目先の問題としては横から手を出したほうが良くても、それが先例になって似たようなことが次々に起こっていくと、予算や人手が尽きて不公平が生じたり、本来の仕事ができなくなったりするかもしれません。 それは外の人には、あ~あお役所はこれだから、と映っていることでしょう。 誰かが根気よく、複数のセクションの調整に走り回れば、上記のような状況もやわらげられることがあります。しかし組織内部の問題としては、そうした行動はやはり横紙破りの危ない行動なのは確かです。ルールを越えて行動することはそうたびたび行えませんから、目の前の問題がそれにふさわしいか、という難しい判断が求められます。 そこで重要になってくるのが、外の人からどう見えるか、という想像力です。別の言葉でいえば常識ですね。 目の前の誰かと話をしているとき、もうひとりこの場にいると仮定します。自分のやり取りを聞いて、その人はどう感じるか。 あるいは、新聞記者がこの場の会話をじっと聞いていると仮定します。その記者は、自分の記事にどういう見出しをつけるか。そんなことを考えてみると有益です。 組織内部の会話は、過度に敵対的になることも、過度に妥協的になることもあります。組織内部での縄張り争いしか目に入らないことで、外部の信用や協力の機会を失うことがあるかもしれません。逆に、組織内で波風を立てないようにするあまり、外部に対して悪い印象を与えてしまうかもしれません。内部での資源の奪い合いを避けるために、外部に対して強硬な要求をして、結局何も得ることができない、というのは、大学では珍しいシチュエーションではありません。 どんなにホットな議論をしているときも、それをじっと遠くから見つめるBirds’ Eye View(鳥瞰=ちょうかん)を持つことは、履歴書に現れない大きな能力だろうと思います。 </div> [[category:学部学生向け|ひとからとうみえるか]]
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