状況整理あるある集

志は高く、視線は鋭く

「社会的に」あるいは「業界全体のために」望ましいルールを検討する、というタイプの研究では、ルール自身の検討と並行して、ルールを支えるシステムを考えてゆかねばなりません。ルール自体を細かく場合を消したり、新たなルールを追加したりしても、本当に欠けているのがルールを支えるシステムなら、問題は前進しないかもしれません。

ルールを知らせ、理解させるコスト

 ソフトの使用許諾契約書を最後まで読まずに「はい」を押してしまう人は少なくないはず。ルールを守らせる責任者が、メンバーにルールを知らせること、それが実際に何を指しているか理解させることは、項目の多いルールや曖昧なルールでは大変になります。

  • 例えばあなたの住んでいる地域でごみの分別ルールがどうなっているか、思い浮かべてください。「乾電池」「ペットボトル」の正しい取扱を何も見ないで言えますか? 鍋やポットで、粗大ごみに出さなくても良い大きさの上限を知っていますか? もし知らないとしたら、短時間でそれを調べることができますか?

 メンバーが入れ替わるとしたら、周知徹底の活動はコンスタントに続けなければなりません。

ルールを守らない人を処分するコスト

 ルールは守っても守らなくても不利益はないんだ、とメンバーが思ってしまったら、個人的な負担のかかる(単に面倒、というレベルのものも含みます)ルールは守られません。  罰則がどのようなものであれ、ルール違反を監視し、それがルール違反であることをメンバーに証明し(ここがいい加減だと、メンバーに不満がたまったり、監視が形骸化し「抜かずの宝刀」になったりします)、罰則を実行するための作業が発生します。  ルールを守らせるための(ルールを守らせることで成績が上がる)人が大勢周囲にいること自体が、メンバーにストレスを与えるかもしれません。

現状を見る目

 いま、あなたの望ましいと思うルールがなかったり、あっても誰も守っていなかったりするなら、その原因はルール自体ではなく、ルールを守らせるコストにあるかもしれません。


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Last-modified: 2008-12-11 (木) 22:19:29 (5616d)