大学で勉強する?

あなたの優先順位は?

  • 「教わる」ことを中心にした、自分ひとりでできる勉強なら、大学に通う意味はないかもしれません。
    • 書籍やテレビ・ビデオなど、売られている/公開されている教材だけで学ぶ可能性。
    • 専門学校・専修学校、通信教育などで、特定のことだけインストラクションしてもらう可能性。
  • 受け身に「勉強する」ことが大切だと考えるなら、大学院より学部が適切かもしれません。
    • 学部にも編入学などいろいろな入口があります。4年間拘束される入口ばかりではありません。
    • 「私には修士(博士)がふさわしい」という動機だけで学部を飛ばして進学することは、確実に大きなコストをあなたにもたらすのに対し、ベネフィットはそれほど明らかではありません。
  • 「考える」ことがあなたにとって大切だとして、オリジナリティはどれほど必要でしょう。
    • (従来型の)修士課程で学べば、いやでもオリジナルな(針の先ほどの、特殊な)結論を得て、それを守るという論文形式の文章を書く羽目になります。ジェネラルな勉強は二の次になります。
    • MBAを標榜する大学院や専門職大学院では(おそらく)ジェネラルな勉強、いわゆるコースワークの比重が高く、論文に割くエネルギーはあまり残らなくなります。私が博士課程の入試で読む、そうした研究科の修士論文を見ると、他の人が調べた結果をこぎれいにまとめただけのものが目に付きます。
    • どちらが尊いという問題ではありません。皆さんの個々のニーズに、どういう勉強が合っていて、コストに見合うものが得られる可能性が高いか、ということです。
    • フルに授業料を払い込み始める前に、学術書や学術文献を読むことを中心に、予備的な勉強をしておく可能性を真剣に検討されることをお勧めします。例えばそれは半年であるかも、1年であるかもしれません。いわゆる受験勉強ではなく、ひとつの論文をまとめるための勉強を、在学年限の砂時計が倒される前にやっておくのです。

ところで、なぜ学術文献を読めないといけないんですか?

  • 当然の疑問です。というより、この疑問を持たないで、かといって準備もしないで、入試に通ればいいやと受験してきて、通ってからうんうん困る人が多すぎます。ぜひこの疑問を持ってください。自分なりの答えを考えたらこちらへ。大学で勉強するB
    • もちろん、読めないといけないことにやっぱり納得できない、という人もいるでしょうね。

私はがんばりたいわけではないんです。

  • 学問的雰囲気、活発な議論を楽しむニーズというのは、明らかにあります。当面何の用事もないけれど、スポーツを楽しむように議論を見物して、あわよくば参加もしたいというニーズが。
  • 今の大学の制度では、うまくこういうニーズを拾えません。一番近いのは、公開講座や市民講座でしょう。大学のお金や地方自治体のお金で、大学の講義には量的にちょっと及ばない短期講座を、無料または安価で提供します。受けたからと言って学歴になるわけではありません。
  • うまく議論がつながればよろしいのですが、入試をやっているわけではないので、当然毎回受講者のレベルはまちまちになります。ある受講者は話を進めて欲しいのに、別の受講者はまだ語り足りない、というようなこともあるかもしれません。
  • こうしたニーズを、お金を取る教育ビジネスとして拾っていくことは、今後増えていくだろうと思いますが、とりあえずインターネットを活用されることをお勧めします。期間としての公式掲示板はいたずらに対して責任が取りきれないのでなかなか設けることが出来ませんが、教員の個人ページに掲示板やブログがあるところはじわじわ増加しています。

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Last-modified: 2008-12-11 (木) 22:19:31 (5617d)