状況整理あるある集

独立採算・成果主義とその功罪

 企業の一部を事業部や子会社にして部門別の利益計算をすると、どの部門が全体の利益に貢献しているのかはっきりします。それに見合った昇給・昇進でメンバーに報いれば、メンバーの(経営者の目に見えないところでの)努力を引き出すことができます。

 そのかわり、事業部や子会社は企業全体に薄く広く利益が広がる支出、例えば全事業部に関係する基礎的な技術開発には消極的になります。ある事業部の製品で不良品処理費用を節約しすぎて評判を落とすと、他の事業部も売り上げが落ちるでしょうが、不良品処理態勢にお金をかけるほど、その事業部の利益は小さくなり、他の事業部よりも業績が見劣りして見えるでしょう。

 個人の成果に応じて給料を変える「能率給・成果給」や、契約金額・売上金額の一定比率を従業員が受け取る「歩合給」は、個人の努力を引き出すとされていますが、それはあくまで成績として測ってもらえる部分だけです。例えば職場の人間関係を円満に保つとか、新人を時間をかけて教育するとかいった、測ることが難しい仕事は、「手間をかけるだけ損な仕事」になってしまいます。

 誰もが必要としているのに、誰もやらない仕事があるとしたら、それをすると得をする人がなぜいないのか考えてみましょう。  


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Last-modified: 2008-12-11 (木) 22:19:33 (5617d)