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機会費用 †
- 選択Aなら100円もらえて、選択Bなら80円もらえるが、AとBを同時には選べないとします。
- Bを選ぶと80円「もらえる」としても、Bを選ぶとAを選べなくなるわけですから、100-80=20円損をしているとも考えられます。この20円を、もっと得をする機会を見送ったという意味で、機会費用といいます。
- 経済合理的な行動は、機会費用をゼロにする行動です。
- よく使われる例え話としては、「タイプのうまい弁護士」があります。普通のタイピストよりタイプがうまい弁護士がいたとします。それでも、タイピストの時給より弁護士の時給のほうがはるかに高いとしたら、弁護士はタイピストを雇い、自分は弁護士の仕事をしたほうが収入が多くなるはずです。もし弁護士が自分でタイプをしたら、1時間ごとに弁護士とタイピストの時給の差だけ機会費用がかかっていきます。
- 機会費用は、経済学で最も応用範囲の広い概念として、スティグリッツの「入門経済学」など代表的な入門書によく取り上げられています。
当たり前じゃないの? †
- 機会費用の説明はあまりにも当たり前ですね。たぷん、機会費用の考え方以外の、経済合理的でない考え方にはどんなものがあるか、と説明したほうがわかりやすいでしょう。
- 以下の飛び先にはそれぞれさらに説明があります。興味のあるものを自由にたどってください。説明を読む前に、「こうなんじゃないか?」と自分なりの答えを考えておかれることをお勧めします。答えが当たっていてもいなくても、理解はぐっと深まるはずです。
- 賃下げ、家賃の値上げ、あるいは輸入制限といった交渉で「従来より不利になる」労働者や借り手や国内業者が条件変更を受け入れないことは経済合理的でしょうか。→機会費用a
- 他に有利な納入先が見つかったからと言って、今までの納入先との契約をすぐ切ることは合理的でしょうか。→機会費用b
- 選択肢がいくつかあることはわかっていても、それぞれの費用や利潤を計算するための費用(あるいは人手や時間)が惜しいので、今まで通りにしていることは合理的でしょうか。→機会費用c
- 上がると思って買った株が、後で値下がりしてしまうことがあります。株を買ったことは、経済合理的ではなかったのでしょうか。→意思決定の時期と期間
- どの選択をしてもお金が減っていくことは人生によくありますが、そうしたときは経済合理的行動そのものが存在しないのでしょうか。損益と機会費用
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